Through the Ages

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Through the Ages スルージエイジズ 初心者卒業ガイド
By Standard of Ur
本作は非常に面白いボードゲームなのですが、ウェブを調べてもガイドや攻略法というものが多いとは言えません。
またそれらの手引についても「この指導者は強い」「この驚異は強い」「この技術は強い」という見方に重点が置かれている事が少なくありません。
それはそれでとても役に立つものだとは感じますが、ゲーム全体の流れとしてどうすれば良いのか?という点においては不足しているように感じました。
そこでこのゲームをそれなりにプレイしていた自分が、自分なりに初心者を卒業する為にはどうしたらいいのか?という事を書こうと思い立った次第です。
直近の野良マルチ4人戦での50戦の平均順位が対ビギナーのゲームもほぼ無い中で2.0弱となり、ある程度慣れたプレイヤーが書いたガイドとして成立していると思います。
とは言え、私以上のプレイヤーはいくらでも居ますので、補完、ご指摘などして頂ければ幸いです。
2023年6月10日、大きく改定。
   
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はじめに
ガイドの基本情報にも書きましたが、本ガイドにおいては「この指導者は強い」「この驚異がオススメ」といった情報よりも、ゲーム全体の流れを通して「どうプレイすれば他のプレイヤーから置いていかれずに済むのか」を重視しています。
基本的にカードセット:ランダムミックス、ルール:デジタルでの4人戦マルチを念頭に置いているとお考え下さい。
このガイドはあくまでも初心者を卒業する為のガイドです。要するに「野良マルチの4人戦で3位か4位ばかり、ほぼ勝てない」という状況を回避する為のガイドに過ぎません。その点をどうかご理解頂ければ幸いです。
またThrough the Agesはボトルネックのゲームです。軍事力特化、食糧特化、ハンマー特化、科学力特化、文化直接生産力特化などよりも基本的にその時の弱点を補う事の方が遥かに重要です。その点は頭においておきましょう。
第1ラウンド
手番に応じた行動を考えること。

まず、これは避けるべきというのは「文化遺産」のカードを取ること。プレイする事で科学1と文化4を産出するカードだが、同時に内政アクション1を消費することになる。序盤の内政アクションはとにかく貴重、これは全く割に合わない。また文化は最終的な勝利点と言えど、序盤はほぼ意味を持たず、それどころか高い文化は軍事イベント「蛮族」の判定対象となる為、その被害に遭う事も起こり得る。手札から消化できず手札上限に引っかかって邪魔になりかねないし、これを取るぐらいなら内政アクションを余らせたままで1ラウンド目を終えた方がマシ。「愛国」も「ハンムラビ」を同時にピックするなら取ってもいいかも知れないが、そうでないのなら私はピックを推奨しない。
反対に黄色カードの内、「大技術者」はどの時代でも「肥沃な土地」「効率的改良」や「都市成長」と比べてハンマーが1つ多いので、驚異の建造を目指している場合は取り得も同然。特に時代Aの「大技術者」は100%腐らないと言っていいので黄色カードの中では最優先でピックすべき。

1.貴方が1番手である場合
内政アクションは1つしかないので、当然、内政アクション1の5つのカードの中からどれかを選択する事になる。
デッキの内政アクション3のカードは2人であれば第2ラウンドに100%全てが残るし、3人でも殆どの場合は全てが残ると考えていい。4人の場合でも大抵はピックされてもせいぜい1枚。4枚以上はほぼ確実にデッキに残る。
つまり、内政アクション3のカードの中に自分好みの指導者や驚異があるようであれば、無理して1ターン目に指導者や驚異をピックする必要はあまり無い(とは言え、個人的にはベストとは言えなくとも相応に妥協できる指導者か驚異があれば私はそれのどちらかをピックする事が多いが)。「天才技術者」があるようなら積極的にピックしても良い。
このゲーム、4人戦の1番手はかなり有利だと感じている。1番手になったのにラスを引くようなら大きな反省点があったか、単純に「お前はこの4人の中で1番ヘタクソだ」と言われているようなもの。

2.貴方が2番手である場合
「天才技術者」、よさげな指導者、驚異の内2枚をピックできれば言う事はないが、まぁなかなかそううまくは行くわけがない。また時代Aは非常に短い為、時代Ⅰの終盤まで引っ張るつもりが無ければ指導者に内政アクション2を注ぎ込みお終い、というのは少々勿体無い。基本的には内政アクション1のカード2枚の組み合わせで上記3枚の内1枚と「肥沃な土地」「都市成長」「倹約」から1枚という形になりがち。時々、内政アクション2を使ってまで「天才技術者」をピックしにいくプレイヤーが居るが、よほど内政アクション1のカードが魅力がない物が揃っている場合でも無い限り、そこまでする価値があるかは正直疑問。

3.貴方が3番手である場合
内政アクション1の有用なカードが3つとも残っているということはまず無い。大抵は内政アクション2と内政アクション1のカードを1枚ずつ取ることになる。時によっては内政アクション3のカード1枚しか魅力的に思えるカードがないということもある。まだ場に出ていないカードから、今後出てくる可能性がある驚異や指導者を確認しつつプレイしたい。カードの2枚をピックする場合は黄色カード2枚よりは片方は指導者か驚異にした方が安定するように思う。

4.貴方の4番手である場合
内政アクション1の黄色カードは「文化遺産」または「愛国」しか残ってない、なんて事もザラ。そうなると内政アクション2の5枚のカードの中から2枚という事が多いのだが、これまた3番手のプレイヤーが1番よさげな内政アクション2のカードは持っていった・・・というパターンが多く、どうしても憂き目に合いがち。内政アクション1のカードがカスしかない+魅力的な内政アクション3のカードがあるという場合は、内政アクション3のカード1枚をピックし内政アクションを捨てる形で第1ラウンド終了という選択肢を取らざるを得ない事も多い。
長くプレイしていて実感しているが、ある程度慣れたプレイヤー同士だと4番手のプレイヤーは1番手のプレイヤーとは対照的に基本不利。特に序盤での軍事面で注意を払う必要があり、政略カードを積極的に仕込みづらくなる事が多い為、4番手で「孔子」をピックするのは推奨しない。どちらかと言えば軍事力を補ってくれる指導者は4番手には向いている(というか、他のプレイヤーのピック次第ではそうせざるを得ない流れになる事も)。

Q.第1ラウンドに取るべき黄色カードは「倹約」「肥沃な土地」「都市成長」どれを優先すべきなのか?

これは臨機応変に、の一言に尽きる(個人的には「倹約」を優先しているが、プレイスタイルに依る部分もあると思う)。
幸福に余裕が作れる指導者「ホメロス」、驚異「コロシアム」「ストーンヘンジ」との相性は「倹約」の方が良いだろうし、一方で人口増加に自信があるモーゼはハンマーが重要になる可能性が高い。「空中庭園」の場合はオリジナルでは「倹約」が、そうでない場合は完成時に食糧2が与えられる為、ハンマーの方が重要になるかと思う(とは言え、そもそも自分は「空中庭園」しか残ってないなら時代Aの驚異はスルーする)。「肥沃な土地」と「都市成長」の比較については、最近は「肥沃な土地」優先。「肥沃な土地」を利用して3つ目の鉱山を作った場合、時代Aの驚異が1ターン早く建つ可能性がある為。とは言え、この辺りは相対的なものなので、周りの動向、見えているカード等を確認して総合的に判断すべき。
第2ラウンド
第2ラウンドで推奨する基本的なプレイの流れ

1.3つ目の鉱山を作る。
ハンマー3を毎ラウンド出せるようにしておく。「クレオパトラ」の場合は例外的に2つ目の「哲学」か3ラウンド目に驚異が完成するようにそちらを優先させるのも悪くない。とは言え、その場合でも第3ラウンド以降で3つ目の鉱山を作る方が無難。また、2つ目の「哲学」を優先させるのは周りが軍事的に脅威でない指導者で囲まれている場合のみに留める方が安全ではある。

2.余剰人口1を作っておく。
貴方が1番手である場合を除いて、余剰人口1を抱えておくのが望ましい。余剰人口があれば、軍事イベント「戦闘行為の発展」「宗教の発展」に対応できる。貴方が1番手で、余剰人口1を抱えずに第3ラウンドを迎えた場合は、そのラウンドでは軍事イベントカードを仕込まないようにする必要がある。これは他のプレイヤーでも似たようなもので、デッキに時代Aの軍事イベントが残っている場合、余剰人口が居ない時は軍事イベントカードを仕込まない方が吉である。なお、「戦闘行為の発展」が発生した場合、2つ目の「哲学」を作るよりも軍事イベントを利用した無償での「戦士」ユニットの建設を優先したい。「戦闘行為の発展」と「宗教の発展」両方が起きてかつ、余剰人口が1しか無い場合はケース・バイ・ケースだが、「宗教の発展」の方がハンマーが1お得になるので個人的には「宗教の発展」を優先する事が多い。

3.指導者を採用する。
殆どの指導者はこのラウンドでさっさと採用した方がいいはず。とは言え、「アショカ」でまだ手札の色が1種類しかない場合や、「アリストテレス」でそのラウンドに技術カードを取る気がない場合においてはその限りではない。勿論、その場合でも余裕を持って第2ラウンドで採用してもそれはそれで構わない。
時代A~時代Ⅰ
この時期に初心者が「大きく置いていかれない為に」「決め打ちしない為に」すべき5つの事について触れる。

1.「剣士」または「騎士」の技術を開発し採用する。
最低限の防衛すらできない軍事力では対戦相手からの侵略も防ぐことはできない。その為にはやはり「剣士」または「騎士」の技術が必要となる。上級者の中にはどちらも採用せず時代Ⅱまでやり過ごし、しかも勝利に繋げる人も居るには居る(たとえば驚異「万里の長城」を建造すれば歩兵系戦闘力は+1される為、「戦士」でも「剣士」と同等の戦闘力を持つし、「チンギス・ハーン」を指導者にして「戦士」3体に戦術「重騎兵隊」を採用すればそれだけで戦闘力は7になる)。しかしこれはあくまでも上級者が展開が向いた上でできることであって、初心者がそうそう真似できるものではない。また、これは上級者であってもかなり綱渡りの戦略であり、実際には大きく崩れる原因にもなり得る。やはり「騎士」、最低でも「剣士」の技術を採用し、部隊を強化すべき。なにより、貴方がそれらのカードを取らない場合、対戦相手はそのカードを取る権利(しかも場合によってはより少ない内政アクションで)があることを忘れてはならない。

2.ハンマー生産を最低でも3以上にする。
鉱山2つでも構わないが、その場合は最低でも1つは「鉄」にアップグレードすべきで、「鉄」が無いなら無いで鉱山を追加するか驚異や指導者の力によってハンマー3は確保すべき。ただ、鉱山2つのパターンは決め打ちも良いところであり、大抵中盤以降伸びを欠く(というか、鉱山2つで廻すのは大抵の場合は幸福問題で致し方なく、というパターンでそもそも苦しい展開である事が多い)。ちなみに実のところはハンマー生産3のままでは厳しいぐらいで「レオナルド・ダ・ヴィンチ」や「クレオパトラ」「アショカ」など、ハンマー生産を増やせる指導者を採用して3.5程度まで押し上げた3が実際の下限ぐらいになる。内政アクションが他のプレイヤーを上回っているなら黄色カードを取って補う事もできるが、その場合は驚異や指導者の力を借りていない場合、「法」や「君主制」を開発する必要があるわけで、研究力で優位である必要があるだろう(研究力が他のプレイヤーと変わらない場合、それらの技術を開発する余裕は基本的には無い)。人口押しができる場合には「鉄」をパスして「青銅」4の体制をとるのもありだと思うが、この場合は時代Ⅱに「石炭」をなんとしても取りに行く必要が出てくる。植民地が3つ以上確保できるのであれば驚異「スエズ運河」の力を借りてどうにかなるだろうが・・・決め打ちそのものでオススメしない。「鉄」は開発しなくとも良いがピックはしておきたい。

3.「灌漑」か「鉄」、どちらか一方は必ず取る。
「灌漑」を開発、採用しない場合、食糧生産が2のままなので次の時代Ⅱにおける人口増加が遅れて苦しい展開になりがち。黄色トークンに余裕があって、食糧2か3で人口が増やせる間は問題ないが、人口増加に食糧4が必要となった時点で「灌漑」は開発、採用した方が無難。黄色トークンを増やせなかった上で時代Ⅱの「品種改良」のピックが遅れると、数ラウンドに渡って人口増加の停止が起きゲームにおける勝利への致命傷となりかねない。
一方、「鉄」を開発、採用しない場合、慢性的なハンマー不足に悩まされがち。とは言え、前述のように内政アクションが他のプレイヤーを上回っているだとか、あるいは時代Ⅱになってもハンマーを補ってくれる「イサベル1世」「レオナルド・ダ・ヴィンチ」が居るなら極端に大きな問題にはならない。ちなみに、ガチ勢中のガチ勢が揃った部屋だと「石炭」をピックしたくても前の手番の奴にカットされてゲーム終了の流れになる事もあるので、ピックだけはしておく必要がある。まぁ、大抵の4人部屋ならそこまで厳しくはないので「石炭」決め打ちでも構わないが。但し、その場合は「肥沃な土地」か「効率的改良」が無いと最初の1つ目の「石炭」の鉱山自体がなかなか建設できないこともある。
ちなみに、どちらも取れないままに時代Ⅱに突入した場合は勝ち目はかなり薄くなる。例外は指導者「ジェームズ・ワット」を時代Ⅱの序盤に採用、「品種改良」「石炭」の最低でもどちらか一方を早期に開発、採用できた時ぐらいか。

4.研究力を3以上にする。
「ストーンヘンジ」を建てた上で「孫子」「アルキメデス」を採用している場合や軍事イベント「暗黒時代」を仕込んだ上で低研究力勝負に持ち込める算段がある場合はともかく、そうでない場合は、驚異や「哲学」から「錬金術」へのアップグレードで研究力を上げたい。ちなみに、周りの研究力の高さにもよるが、研究力は3あれば時代Ⅱの中盤くらいまでは十分にどうにかなる。その為、「アレクサンドリア図書館」か「プラハ・カレル大学」などを建てた場合などは、「錬金術」はパスして構わない。「科学的手法」へのジャンプアップを狙おう。「ストーンヘンジ」を建てた上で「孫子」「アルキメデス」などを採用した場合は、継続的な研究力ではない為「暗黒時代」のタイミング次第では致命傷となりかねないので、適宜技術は開発しておく必要があるだろう。また、この場合でも「科学的手法」へのジャンプアップを狙いたい。「印刷機」は勝利点である文化を直接産出するが、幸福を生み出すわけでもなく科学力は1しか出ない為、はっきり言えば旨味に欠ける。基本的にピックするのは「レオナルド・ダ・ヴィンチ」か「ヨハネス・グーテンベルク」を採用した上で軍事力や幸福に余裕がある場合くらいだろうか……。「印刷機」を採用するのであれば、「錬金術」はあまり取りたくない。

5.初期の侵略の為に内政をガタガタにしない。
初期の侵略は確かに効果的で上手く決まればそれだけで対戦相手1人を勝ち負けが厳しい状態に追い込める事もあるが(「急襲」による「錬金術」の破壊や「奴隷化」で人口が減った次ターンにまた侵略を食らって再起不能となるなど)、一方で時代Ⅰの侵略で直接的に得られる利益は大きいものではない。「奴隷化」ですら食糧2+ハンマー2しか得られず、これはたった「戦士」1体分でしかない。その上、政略アクションを消費する。無理して侵略を成功させても、対戦相手の誰かを蹴落とすつもりが自分もそいつに足を引っ張られて共倒れだ。侵略は勝つ為の手段であって目的ではないことに十分留意すべき。

できる限りした方が良いこと、しない方が良いこと
上の3つはほぼ最低限しておかなければならないことだが、他にもした方が良いこと、しない方が良いことはいくつかある。

・軍事アクションを3つにする。
これは特に慣れる前の初心者は意識した方がいい。逆に慣れてきて軍事力を効率的に上げられるのであれば、それほど問題ではない。軍事アクション2つのままだと軍事カードの引ける枚数が少なくなりがち。当然、「戦術カード(部隊による戦力ボーナスを与えるカード)」「ボーナスカード(植民地獲得や防衛時に戦力となるカード)」を引ける可能性も低くなる。また、公開戦術を採用する場合には軍事アクション2つを消費する為、同ターン中に部隊を新たに作りつつ公開戦術を採用する事ができないのも大きい(「愛国」を取った場合や自分の手の中に公開戦術と同様の戦術があり、そこから採用する場合は除く)。そして、対戦相手から侵略された時に軍事カード2枚しか防衛に使えない為、僅かな軍事力の差でも侵略されてしまう可能性が高くなる。それらを防ぐ為にも、まずは軍事アクション3つを目指したい。
具体的に軍事アクションを3つにする方法については
・指導者で増やす(「ユリウス・カエサル」「ジャンヌ・ダルク」「ヤン・ジシュカ」)
・驚異を作る(「コロッセオ」)
・時代Ⅰの政体(「君主制」または「神政」)を開発、採用する
・特殊技術の「戦闘」を開発、採用する
・「国境開放条約」を対戦相手の誰かと結ぶ
この5つの方法がある。この内、指導者で増やす方法や時代Ⅱが終わると自動的に期限が切れる「国境開放条約」は一時的な繋ぎで恒久的なものではない。軍事アクションについては戦争をするつもりがない場合でも時代Ⅰなら3つ、時代Ⅱなら4つ、時代Ⅲなら5つ程度はできれば欲しい。中には実にうまく軍事アクションを適宜使うことで時代Ⅲの初頭まで3つで済ませて勝利する優れた軍師もいるが、私のような凡人は常道を行くしかない。
やむを得ない理由で軍事アクションが2つのままになってしまった場合は、軍事力トップとの軍事力差が2以内になるようにし、その上で、ボーナスカードを1枚は持っておきたい。

・軍事カードの内、戦術カードやボーナスカードを安易に切らない。
「中世の軍隊」が手札に来たから「騎士」を開発しましょう、というのは私もよくやるパターン。「ファランクス」もキープしておく優先度は高い。ボーナスカードは軍事力が見劣る時、侵略を防げる可能性が高くなる。

・軍事イベントカードはよく考えてプレイする。
たとえば他のプレイヤーが「ロドス島の巨像」を建てていたり「地図学」を開発していたり「イサベル1世」を採用したりしている場合は、植民地イベントカードはプレイしない方がいいし、「ヒポクラテス」を自身が採用したのであれば、他のプレイヤーよりも黄色トークンでアドバンテージがあるのだから、「広大な領土」「先住者のいる領土」などプレイしない方が優位に立ちやすい。また、序盤から文化点で上位になりそうなのに「蛮族」を仕込めば自身がその標的になりかねない。どんな政略カードを仕込もうとも、それが自身の軍事力が最下位の時であれば、「不確定国境線」「恐怖時代」「国境紛争」などの標的になる可能性もある。「灌漑」2つ揃えたのであれば、「豊作」や「悪疫」は有利に働くだろうし、反対に他のプレイヤーが「灌漑」を2つ揃えているようならば「鼠」は効果的だろう。科学力が他のプレイヤーに比べて見劣りするのであれば、「暗黒時代」はプレイしておきたい。「サン・ピエトロ大聖堂」を建てたなら「植民」で人口が増える可能性は高い。とにかく軍事イベントカードをプレイする際は「意図を持って」プレイすべきだ。

それなりにできると良いこと

・指導者を乗り換える。
時代Aの指導者が特に使いやすく、反面良いタイミングで好みの時代Ⅰの指導者が周ってこなかった・・・というのはよくあることだが、できれば乗り換えておく。「ミケランジェロ」は罠だ(弱いというより使いこなすのが極めて難しい)。

・植民地を1つ取っておく。
「先住者のいる領土」「広大な領土」「発展した領土」どれかはできれば欲しい。人口増加や幸福にかかってくる黄色トークンを増やす植民地は重要度が高い。「灌漑」を採用できている場合は「歴史的領土」でも良い。つまるところ、不満のない人口を増やす余地と人口ブーストが欲しい。「灌漑」が採用できている場合は他の文明と比較して既に人口増加が早いだろうから、「歴史的領土」が産む幸福1は代替になる。また、それに加えて「パンとサーカス」があるなら、「豊かな領土」で得た鉱物6を活かしてそちらに人口を突っ込めばやはり代替になる。但し、植民地を取る為の無理はしないこと。派遣する軍事ユニットは基本的には1体に留めるのが無難な事が多い。

第3,第4ラウンドの状況
幸福の追加があるか黄色トークンが増えていない限り、9体目の人口ユニットは不満を抱えて誕生するはず(たとえば「戦士」1、「農業」2、「青銅」3、「哲学」2の状態で次の人口ユニットは不満を抱えて誕生する)。このユニットの為に慌てて「寺院」などを用意する必要はない。時代Aイベント「宗教の発展」で無料で「寺院」が建設できる事もあるし、幸福が増える驚異の建造が途中であれば、そちらを優先すれば良いこと。運良くよさげな植民地を獲得できることもあるだろう。また、先述の「パンとサーカス」は技術コスト、鉱物コスト共に3と安く幸福2が手に入り、非常に汎用性が高く終盤までお世話になる事も多い。ピックを検討するのも良い。その次の10体目の人口ユニットはニートにする必要はないので軍事ユニットにするなり都市建築物を建てるなりしよう。

その他、特筆して注意すべきこと
「アレキサンダー大王」を採用した対戦相手が第1,2ラウンドに2体目の「戦士」を早々に作った場合、2つ目の「哲学」よりも2体目の「戦士」を優先して作った方がいい。初期の侵略を企てている可能性が非常に高い。但し、そんなプレイをする奴は大抵ヘタクソなのでゲーム中盤以降は良い餌だろう。
「孫子」を採用した対戦相手が居る場合、内政アクション2つ、場合によっては3つ使ってでも「騎士」を取りに行く事を考えた方がいい。「孫子」は場を離れた時、採用していた戦術に軍事力+1の追加ボーナスを与えるので、ただでさえ強力な戦術「中世の軍隊」(騎兵系ユニット1+歩兵系ユニット1、軍事力2)が軍事力3の威力を持つ恐れがある。「孫子」を使っているプレイヤーの動向にはくれぐれも注意を払おう。
「ユリウス・カエサル」は2回連続軍事アクションを行えるので僅かな軍事力の差でも侵略を成功させられる可能性がある。間違っても「国境開放条約」を「ユリウス・カエサル」と結ばないように。
それなりに慣れてきたプレイヤーには1番大事かも知んない、時代Ⅰの終わりに(追記)
以前よりもマルチへの理解度が深まったので追記。
大抵の場合、プレイヤーの時代Ⅰ終わりまでの最小のユニット数とその配置は大きく変わらない。
・軍事ユニット×3
・農耕ユニット×2
・鉱山ユニット×3
・研究ユニット×2(研究所×2または研究所×1+書庫×1)
に加えて、余剰市民1があるはずだ。
この余剰市民は「宗教の発展」イベントが起きていると大抵は宗教に配置されている。
なんらかの理由で更に人口が多い場合は軍事ユニットが4体の場合もあるだろう。

問題はここから先だ。
「宗教の発展」イベントが起きていない場合、不満を持つ労働者として貴方はこれを持て余しているはず。
あるいは驚異や植民地、指導者の影響などで幸福が増えたり、黄色トークンが増えたりしていると、貴方はこれを「宗教」以外のどこか・・・4人目の鉱山ユニット、3人目の研究ユニット、4人目の戦闘ユニット、あるいは「芝居」要員として配置している可能性が高いだろう。

さて、いよいよ本題に入る。
時代Ⅰの終わりに、各文明は黄色トークンを2つ失う。
この時、最低限ができなかった文明の篩い落としとも言うべき瞬間がある。
上記の11体のユニットから、黄色トークンが減った影響で2人目の不満を持つ労働者が発生するのだ。
そして、これに対応できない文明はすぐには脱落しないまでも、かなり厳しい状況となる。
不満を持つ市民を解雇してプー太郎にする必要があるからだ。そうしないと暴動が起こる。
せっかく作ったユニットを破壊する為の手番。生産につぎ込んだハンマー。
そして再度、後になって生産しなければならない手番とハンマー。
それだけ見ても大損だ。
その上、軍事ユニットが増やせない事で軍拡競争で遅れを取りやすく、延々戦略イベントで泣く羽目になりやすい。

この大損を回避する方法はいくつかある。
・主に「灌漑」への改良が中心となるが、12人目、13人目と更に労働者を作っておく事で不満市民を出しつつも耐える。
この方法は・・・あまり好ましくはない。戦略イベント「反乱」が起きると完全に1ターン飛ばされる事がある。だが、上記よりはマシだ。

・「パンとサーカス」ないし「神学」を取っておく。
どちらも一長一短ある。神学は1とはいえ文化を産出し、研究力も「パンとサーカス」より1少なくて済むが、ハンマーが5とやや重い。「宗教の発展」イベントが起きているとか、「ジャンヌ・ダルク」をプレイしているなら「神学」の方が得にはなりやすい。一方で「パンとサーカス」は非常にハンマーが軽い(3!)のと、時代Ⅱの前半で時々ある「僅かな軍事力の差で戦略イベントで泣きを見る」を回避しやすくなる。また、ハンマーが軽い事で後半になって2つ目、3つ目と追加のアリーナを作るのにも苦労しない。私は「ジャンヌ」をあまりピックしない反面、「ダーウィン」、「クーベルタン」のピックが多い事や、終盤「パンとサーカス」を「プロスポーツ」へとアップグレードし「幸福による影響」や「建築学による影響」、「競争による影響」で文化を稼ぐ事が多いので、「パンとサーカス」を重視する事が多い。

・「広大な領土」「先住者のいる領土」「発展した領土」「歴史的領土」など、植民地を獲得して黄色トークンを増やすか、幸福を増やす。
特に黄色トークンが増える前の2つの植民地は単なる幸福問題の解決のみならず、労働者の増加速度を上げる手助けにもなる。時代Ⅰの「発展した領土」だけでは黄色トークンが1つしか増えないので、不満が発生するはず。後述の「アレクサンダー大王」「ヒポクラテス」と組み合わせるか戦略イベント「不確定国境線」で黄色トークンを奪う必要がある。

・指導者や驚異で黄色トークンを増やすか、幸福を増やす。
幸福を増やすわけではないが、「紫禁城」もこの手段に入る。だが、時代Ⅰの驚異に頼るのは危険だ。登場時期が遅くなる場合だって当たり前に考えられるし、完成だって遅れやすい。基本的には時代Aのものを想定しておくべきだ。私が以前より「ホメロス」「アレキサンダー大王」「ヒポクラテス」などをプレイする事が増えたのはこの為だ。あるいは手札に「広大な領土」か「先住者のいる領土」があるなら「クリストファー・コロンブス」をピックしてとっととその植民地をモノにする事も増えた。

以上の方法は時代Ⅰの真ん中ぐらいまで来たら、とにかく意識すべき事だ。あるいはそのタイミングではもう遅いかもしれない。

上記のことを踏まえて、具体的にプレイミスが起こり得る状況について書いてみよう。

・時代Aの指導者と驚異は「アリストテレス」と「ピラミッド」。時代Ⅰに「パンとサーカス」または「神学」を建築できないまま時代Ⅰを終え、時代Ⅱを迎えた直後のターンでもそれらを建築できない。
どちらも時代Aの中では上位に位置する指導者と驚異だろうが、揃えるのは危険性が高まる。「アリストテレス」をたとえば「ハンムラビ」に置き換えても、あるいは「ピラミッド」を「アレクサンドリア図書館」に置き換えても同様だ。その状態で「万里の長城」「紫禁城」「サンピエトロ大聖堂」をピックした上で時代Ⅰの終わりまでに建築できるなんて基本的には甘っちょろい考えだ。つまり、上記のような組み合わせをピックした時点で「パンとサーカス」や「神学」の優先度は「錬金術」辺りよりも高くなると考えるべきだ。さすがに「灌漑」「鉄」より優先すべきとまでは言わないが。強力だからって「パンとサーカス」や「神学」よりも「姫路城」「プラハ・カレル大学」のピックを優先するのも危ない橋だ。

Though the Agesはボトルネックのゲームで、このボトルネックは全てのプレイヤーに訪れる最も厳しいものの1つだ。プレイの際は忘れないようにした方が良いだろう。
時代Ⅱ
時代Ⅱにしなければならないこと

1.時代Ⅰで「灌漑」を取らなかった場合は「品種改良」を、「鉄」を取らなかった場合は「石炭」を取らなければならない。
これはほぼ必須。時代Ⅲにもなって「農業」または「青銅」では勝ち目は無いも同然。食糧の方は唯一、驚異「オーシャンライナーサービス」の建造に成功した場合のみ、最終盤まで「農業」だけで行ける。但し、飢餓を防ぐ為に時代Ⅲ後半~Ⅳには「農業」を1つ増やす必要が出てくるだろう。一方、ハンマーの方は植民地を3つ以上保持した上で「スエズ運河」があればどうにかならないこともない。時代Ⅰのところにも書いたが、「灌漑」も「鉄」も無い状態で時代Ⅱまで来た場合、指導者は「ジェームズ・ワット」最優先。場に居ないだって?プレイ開始前に一通り全ての指導者と驚異は確認しておくべきだよ、君。

2.最低でも内政アクションを5つ、軍事アクションを3つに増やす。
時代Ⅲでは内政アクション3つで「空軍」や「コンピュータ」を取りに行くのも当たり前。黄色カードを取る為に内政アクション3つが費やされることもしばしばだ。時代Ⅲの驚異ともなると大抵は既に3か4つ目で、取るだけで多くの内政アクションを消費する。その事を考えれば時代Ⅱも後半なら内政アクションは正直5つでも足りないレベル。軍事アクションも同様で、「文化を巡る戦争」では軍事アクション3つを消費するので、実際のところは非戦決め打ちでもない限りこれまた足りない。というか、非戦決め打ちでも3つだと食われる側になりやすい。時代Ⅱも半ばになれば内政アクション5つ、軍事アクション3つは最低の最低限と言える。その最低の最低限に足りずに時代Ⅲに突入するようでは勝利は極めて難しい。

3.軍事の系統を増やす。
時代が下れば下るほど戦術ボーナスは大きくなっていくが、大抵の戦術は異なる軍事の系統に跨る。追記すれば複数の軍事系統に跨る戦術の方が軍事力ボーナスが殆どの場合、大きい。採用する戦術が結果的に「軽騎兵」(騎兵ユニット×2、軍事力2+その技術が所属する時代と等しい追加軍事力ボーナス)、「要塞戦」(砲兵ユニット×2、軍事力5)、「機動砲兵」(騎兵ユニット1、砲兵ユニット1、軍事力5)になってもそれはそれで構わないが、結局のところ歩兵ではない軍事の系統を増やすという点では変わりない。その為、個人的には「大砲」のピック重要度は「空軍」や「鉄」「灌漑」ほどでは無いにせよ、それにかなり近いと考えている。
また、時代Ⅱの戦術は時代Ⅲに「空軍」さえ確保できればゲーム終盤でも相応に通用する物が多いが、それでも歩兵系統が「戦士」だと威力が半減してしまう。その為、「剣士」を取っていない場合、「銃兵」を取った方がいい。「剣士」も「銃兵」も取らない完全な騎兵系技術or砲兵系技術のみの決め打ちも可能と言えば可能だが、博打要素が強いので個人的には推奨できない。(せいぜい、時代Ⅱに「要塞戦」、「機動砲兵」が取れて目処がついた場合ぐらいか)。

時代Ⅱに可能ならしたいこと

1.次の手番のプレイヤーが「灌漑」を持っていないなら「品種改良」のカットを、「鉄」を持っていないなら「石炭」のカットを考える。
手札の上限数や内政アクションの数、「品種改良」や「石炭」の場に残っている枚数なども相談の上だが、農場や鉱山のどちらが全て時代Aのまま時代Ⅱ終盤~時代Ⅲに突入したプレイヤーはほぼ勝ち目がない。つまり、カットできればその時点で誰かを勝利者争いから蹴落とせる。特に「石炭」は4人戦でも2枚しか無いので内政アクション1ならカットするつもりで行きたい。場合によっては内政アクション2でも潰しに行って良い。

2.次の手番のプレイヤーが「専制」のままなら、「立憲君主制」のカットを考える。
まぁこれも上記と同様。あなた自身が「専制」の場合は特に必然。上記ほどの威力はないが、特に次の手番のプレイヤーが軍事アクション2の状態の時に「共和制」を強制できる展開は有利だ。

3.繰り返すが「大砲」を取る。
軍事の系統を増やす、にも書いたが、「大砲」のピック重要度はかなり高い。砲兵の絡んだ戦術を採用したい状況にも関わらず、時代Ⅲの「ロケット」が場に出るのが遅れて、他の文明への攻撃も自文明の防衛もおじゃんになるという事は往々にしてある。開発は遅れても、なんなら採用しなくてもいい、「大砲」はピックしておけ。

4.「侵略:侵入」は軍事力を拡大する予定であれば、キープしておく。
時代Ⅱの間はプレイが無理だったとしも、時代Ⅲの指導者はもう次の指導者に交代する事が不可能な為、「シド・マイヤー」「ガンジー」などの暴力的排除が決まればそれだけでそのプレイヤーを優勝争いから脱落させられることも多い。特に「ガンジー」の排除は、次にその文明に戦争を仕掛ける、という動きに持っていく常套手段として用いられる。
時代Ⅱが終わり時代Ⅲに入る頃のおおよその目安
食糧生産
最低でも4(「灌漑」4か「農業」1+「品種改良」1)、可能であれば6(「灌漑」3か「品種改良」2)は欲しい。但し、時代Ⅱの前半のあまり早い時期に食糧生産6にしても、内政アクションが足りずに鉱山のハンマーを腐敗させる原因になったり、ハンマーが足りずにニートを抱えるだけになったりするのでそこは注意。例外的に驚異「オーシャンライナーサービス」がある場合は食糧生産2でも構わない。「広大な領土」や「先住者のいる領土」など植民地を4つ5つと山ほど抱えている場合は食糧生産2や3でも人口が増えていくが、そのような状況は意外なほどに勝利に繋がらないことが多い。これは恐らく、植民地の獲得の為に投資する軍事ユニットと内政及び政略アクションへのペイをゲーム終了までに回収しきれないことや、植民地を獲得することで幸福や食糧生産を伸ばす必要が減る→余裕がある為、その点を手抜きする→結果として、時代Ⅲの政略イベント「幸福による影響」「農業による影響」「調和による影響」などで大きな加算がなくなる、あるいは4人戦の場合は単純計算で25%の確率でしか引けない「植民地による影響」を他のプレイヤーが仕込まない、こういったことが影響してくるのだろう。

ハンマー生産
理想を言えば8以上欲しい(というかいくらあってもいい)が、大抵は6程度になるだろう。この時期なら5であれば「建築技術」を開発済の場合や内政アクションが多く黄色カードを多く取れそうな場合、なんらかのハンマーボーナスがある指導者を採用する場合は誤魔化しが利く印象があるが、さすがにハンマー4では勝利は難しい。私はハンマー6あれば終盤まで大きな不足を感じる事はそれほど無く、研究力が蓋になるパターンも多い。ただ、この辺りは本当にケース・バイ・ケース。積極的に「建築技術」を取りに行く事が多い自身のプレイスタイルにもよるのかも知れない。

研究力
どのような形であれ、最低でも6は欲しい(というかハンマー同様にいくらあってもいい)。それ以下では正直言って勝利は厳しいだろう(軍事力マシマシで余程の情熱大陸になっていれば別だが)。そうなった場合は「シェイクスピア」の力を借りて一気に「マスメディア」を建てるだとか時代Ⅲ入ってすぐ「コンピュータ」を強引に開発して2つ揃えるだとかを考えたい。

文化力
低い時は暴力に訴える事を、高い時は暴力から守る暴力に訴える事を考えながら伸ばせる限り伸ばす。いずれにせよ、暴力必須。やはり暴力‥‥!! 暴力は全てを解決する‥‥!!ちなみに、食糧、ハンマー、研究力からしたらこの段階での文化力はごくごく小さい要素。極論、文化生産力なんかこの段階で0でも他がしっかりしてりゃ勝負になる。基本的に時代Ⅱまでは時代Ⅲの戦争、軍事イベント、驚異、都市建築物から得る文化力の為の土台作りに過ぎない

幸福
時代Ⅲに入った直後に政略イベント「移民」喰らっておげーってなるプレイヤーちょくちょく居るので黄色トークン2つ分は余裕作っとくとよさげ。
時代Ⅲ
最もしなければならないこと
・他国の文化を戦争で奪いたい→「空軍」をピックし、いつでも開発して採用できる状態にする。
・自国の文化を戦争から守りたい→「空軍」をピックし、いつでも開発して採用できる状態にする。
Through the Agesは「空軍」がクソほど強いゲームであり、これは最重要課題だ。一方で、
実際に開発して採用する必要は無い
ことは認識しておきたい。要するに、他のプレイヤーが戦争を仕掛けても、我々はいつでも「空軍」の力を借りてそれに対処できる用意がありますよと見せつけておくことが重要なのだ。

時代Ⅱで少し触れたが、いわゆる博打要素の強い騎兵系ユニットのみ、砲兵系ユニットのみの戦術でも空軍を積む事ができれば非常に高い火力を出す事ができる。たとえば「ロケット」6、「空軍」3で戦術「要塞戦」を採用している場合、軍事力は「ロケット」5×6+「空軍」5×3+「要塞戦」5×3+「空軍」による戦術ボーナス5×3で軍事ユニットだけで合計75の軍事力が出る(戦術「軽騎兵」と「戦車」の組み合わせでも同様の軍事力が出せる)。ここに驚異、植民地、特殊技術、アリーナの軍事力が加わるのでもう少し軍事力は伸びるだろう。
しかし、実際のところ時代Ⅲユニットをここまで量産するのは容易ではないし、そもそも「空軍」以外の軍事ユニット技術はそれぞれ2枚ずつなので目的のものがなかなか出てきてくれない事も多い。とにかく受けは広い方がいいだろう。

した方が良いこと、しなくても良いこと
・「灌漑」or「品種改良」が取れているならば「機械化農業」は基本的には不要。「鉄」or「石炭」が取れているならば「石油」は基本的には不要。ピックするのは戦略イベントとして仕込む事で文化点を稼ぎたい場合にほぼ限られる。要するに「機械化農業」or「石油」は最後の一押しの為に取りに行くのであって、そうでもないのに取りにいく必要はあまり無い。

・時代Ⅱの「立憲君主制」が取れているならば、「民主主義」「共産主義」「原理主義」は基本的には不要。上記の「機械化農業」や「石油」と同様に最後の一押しで研究力が余っている場合に採用を検討するぐらい。「立憲君主制」は内政アクション、軍事アクションのバランスが良く、ゲームの最後まで通用する非常に強い政体だ。一方、未だに「専制」のままだったり時代Ⅰの「神制」を採用していたりする場合には時代Ⅲの政体を採用する必要が出てくるだろう。時代Ⅰの「君主制」や時代Ⅱの「共和制」の場合は内政アクションや軍事アクションの数や科学力、対戦相手の動向などと相談しつつ、時代Ⅲの政体の採用や「軍事理論」「公務員制度」などの採用も考慮に入れるべきかも知れない。あるいは時代Ⅲの政体を採用してもいいだろう。ただ、「公務員制度」はデッキに1枚しか入っていない為、それを当てにするようなプレイは避けた方が無難。
ゲームを通じて重要なこと
1.自手番終了時に、軍事力が最下位であるという状況を可能な限り作らない。
軍事力最下位だと様々な軍事イベントの被害を受ける恐れがある。特に時代Ⅰの「恐怖時代」「不確定国境線」、時代Ⅱの「難民」「国際交渉」の対象となると辛い。また、軍事力が最下位でなくても軍事力が低く手札の軍事カードが少ないと侵略の標的となる可能性が高まる。植民地獲得直後には軍事力が低下するが、その際に攻撃されないよう特に気を付けたい。一方で自分の手番の前のプレイヤーか自分の手番の軍事イベントで植民地カードが公開された場合、一時的に軍事力最下位になっても即座に軍事力を回復させられる手段があるのであれば、積極的に植民地を取りに行きたい(一時的な軍事力低下の最中に侵略される可能性が消える為)。ただ、自分の手番の前のプレイヤーの政略アクションで植民地を獲得し軍事力が最下位になった場合は、前述の理由もあり、その後の自分の手番での軍事イベントを仕込むのは避けた方が無難(時代Ⅲのイベントカードは大きく勝負に影響を与えるものも多いのでそれでも踏み込む場合も多いが)。

2.投資に対する回収をよく考えてから植民地を取りに行く。
マルチで時々「これ文化点獲得競争ゲームだから!植民地獲得競争ゲームじゃないから!」と言いたくなるプレイヤーが居る。ユニット3体も突っ込んで植民地取りに行ったり内政ボロボロにしてまで植民地取りに行ったりするのは愚の骨頂。ユニット1体作るだけでも基本的には内政アクションと政略アクション1つ消費しつつ、最低でも食糧2とハンマー2が必要であることは忘れてはならない。それらを踏まえた上で植民地を取りに行くべき。

3.農場は早い段階から増やさない。
基本的に農場は2つで回せればベスト。ただし、食糧生産4程度では黄色トークンをよほど確保できていない限り中盤以降はかなり苦労する。その場合は時代Ⅱの後半から時代Ⅲにかけて、3つに増やす必要が出てくるだろう。個人的には「品種改良」まで待つよりも「灌漑」をとっとと採用した方が安定すると考えている為、自分はゲーム終盤に「灌漑」×3の体制になっていることが多い。ゲーム最終盤で飢餓が発生してしまう、という時にも否応なく3つに増やすこともある。これは特に「オーシャンライナーサービス」のみで人口をどうにかしている時に多い。

4.同系統の技術を基本的に何度も取らない(開発しない)ようにする。
単純に、それだけ研究力と内政アクションを無駄にするということになる。たとえば「騎士」→「騎兵」→「戦車」ではなく「騎士」の次は「戦車」を取る、「錬金術」の後は「コンピュータを」取る、と言った感じ。青系特殊技術であれば基本的に開発してもそれぞれ1回だけにしておくのに越した事はない(それでも時代Ⅰの「戦闘」を開発後に時代Ⅲの「軍事理論」を開発する事は時折あるが)。但し、内政アクションに余裕がある場合は、「石炭」を取って(開発はしなくても良い)「鉄」を取ってないプレイヤーの邪魔をする、「君主制」は取るだけにしてあとから取った「立憲君主制」を開発、などのプレイもできる。「戦略」開発済の場合にも「軍事理論」をピックすることで他のプレイヤーの軍事アクション数を抑制し、戦争や侵略を起こしにくいようにする、といった立ち回りも可能。

5.文明は丸く育てるように心がける。
Through the Agesはボトルネックのゲームです。
重要なので3度目。
食糧、ハンマー、科学力、軍事力、幸福、内政アクション、軍事アクション。その時々で何が足りていないのかを把握し、それを補うように立ち回らなければならない。このゲームは長所を伸ばすよりも短所を減らす方が往々にして成功しやすい。バランスを崩しても問題ないのは、終盤、文化を奪う為の戦争で軍事力全振りする時ぐらいだろうか。それだって、極端にバランスを崩せば最後の最後にある時代Ⅲの軍事イベントによる判定で引っ繰り返る原因になりがちだ。

・それが出来れば苦労はしねェ!!!
ぶっちゃけ色んな事できない。それどころか、ここまで書いた「しなければならない」事だってなかなかうまく行かない。だって皆勝ちたいし、自分より上級者いっぱい居るし。だからせめて臨機応変に「今1番足りないものは何か」「少なくとも直近の2,3ターンを凌ぐ為に何ができるか」を考えて動くようにしたい。ゲーム最終盤では食糧もハンマーもあるのに幸福足りないから兵足りない、仕方がないから農場や鉱山潰して配置転換、なんてのも褒められたもんじゃないけど、やらざるを得ない事も当然あるし、時には暴動上等で戦争仕掛けることもある。
小技や豆知識
・植民地カードを仕込んでそれを取りに行く場合、軍事力に余裕があるならば予め植民地を取った後の事を考えた戦術を組み込む。たとえば騎士1体と戦士2体を持っていて、戦士1体を植民地獲得用に使うのであれば戦術は「ファランクス」ではなく「中世の軍隊」にしておいた方が安全です。直後にユニットを追加して元の戦術を確保できるのであれば、この限りではありません。

・平時の備えとしての軍事力と植民地獲得用の軍隊を分けて考えておく。これは要するに平時の軍事力とボーナスカード、驚異や技術の影響で植民地競争で他に見劣りしないのであれば、わざわざ高いコストをかけたユニットを植民地に派遣するより戦士1体で安いコストで大きな見返りを得たいよね!という事です。

・政略イベント「蛮族」での文化点の判定は、そのイベントから見て手番が先のプレイヤーが判定の対象となるので注意が必要です。たとえば4人戦であなたが1番手で文化点が2位タイだった時には、あなたの文明の人口が1減る事になります。

・植民地獲得用の軍隊に「万里の長城」や「アレクサンダー大王」の軍事力ボーナスは乗りません。

・指導者「アショカ」を採用している場合、時代Ⅰの指導者は特に選り好みせずとっとと取ってしまう方が良いです。その上でできる限り時代Ⅰの終盤まで、手札の中にその指導者を残しておくこと。そうする事でアショカの指導者ボーナスを毎ターン得られる可能性が極めて高くなります。

・指導者「フリードリヒ大王」は軍事ユニットを生産する際、食糧と鉱物をそれぞれ1節約できる。それに加えて内政アクションを消費しない。これを利用することで、たとえば本来であれば食糧3(2)と内政アクション1で自由に使える人口を増やすところを食糧2(1)、鉱物1、軍事アクション2で自由に使える人口を増やせます。具体的にどういうことかと言うと、1.通常より1少ない食糧と鉱物1で軍事アクション1を消費し「戦士」を作る → 2.そうしてできた「戦士」を解散する。この一連の動作では内政アクションを消費しません。あとはこの解散後で手空きになったユニットを任意の内政の場所に配置し直すだけです。