Homeworld Remastered Collection

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日本人MOD製作者向けガイド②
By dengun
HWRMの日本人MOD製作者向けのガイドとなります。
ワークショップで公開中のA-test Template MODを利用していきます。
②ではA-test Template MODの構成と、そこから考えるMODの形態についてです。
   
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A-test Template MODの構成について

上はA-testMODのbigデコンパイル後のファイルです。
このファイル郡は、HWRMのbigファイルが読み込まれた最後に読み込まれます。
多くのファイルを追加し、時には上書きする事によってMODとして稼動します。
さて、上から順にフォルダの構成と役割の解説です。

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aiフォルダ
その名の通り、CPUの動作に関係するフォルダです。
アップデートでフォルダの構成が変わり、中にdefaultフォルダが追加されました。
この中にある(***.lua)ファイル郡がCPUの行動を制御します。
luaファイルはHWRMで使われる一般的なファイルです。
メモ帳などのテキストアプリで開く事ができます。
A-testMODではオリジナルではなく、エラー回避の為に独自に改修が加えられています。
基本的にはあまり、弄りたくないフォルダですが、
新規作成したユニットなどの登録などよく使用するフォルダでもあります。


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artフォルダ
このフォルダにはゲーム内で使用する2Dエフェクト、3Dエフェクトなどの、
画像、HODファイル、それを制御するluaファイル郡で構成されています。
HWRMで使用される画像形式はDDSファイルとTGAファイルの二種類です。
旧HW2のROTファイルなども見られますが、これの中身はDDSファイルです。
A-testMODでは、HWRMのエフェクトの大部分をそのまま流用していますが、
一部の武装や爆発エフェクトは自作しています。
これらはfxtoolを使用して画像を組み合わせてluaを作成して使用します。

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effectフォルダ
現在は使用していません。
特に弄る事は無いです。

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leveldataフォルダ
シングルキャンペーンとマルチプレイ関係のフォルダです。
シングルは現在使用していませんが、ファイルはデフォルトのチュートリアルが入っています。
このファイルを読み解けばキャンペーンMODなどが作れるかもしれません。
マルチプレイは、CPU対人で使用するファイル郡です。
中身にはlevelファイル、levelsファイル、Luaファイルなどで構成されています。
すべてテキストアプリで開く事ができます。

levelファイルはマルチプレイで使用するMAPデータのファイルです。
障害物やオブジェクト、アステロイドベルトなどを座標管理し、
背景の表示や音楽の選定なども、このファイルで行っています。
仕組みさえ分かれば手軽にオリジナルのMAP作成なども可能です。

levelsファイルはlevelファイルの統括ファイルです。
このファイルを通して登録された複数のMAPを読み込み、
対戦時に選択できるように表示させます。

libフォルダ内のLuaファイルは対戦時の特別設定ファイル郡です。
賞金の設定ルールや、研究の完了などのルールをしようする際に
この中のファイルが読み込まれます。
A-testMODではエラー回避の為にかなりの部分で手を加えてあります。
もう弄りたくない・・・・。
もしもあなたがプログラムを書けるのなら新しいルールを作成できるかもしれません。

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missileフォルダ
みんな大好きミサイルフォルダ。ミサイルしか入っていません。
各種ミサイルフォルダの名前とその中にあるファイルの名前は一緒である事が条件です。
eventsファイル、missファイルはテキストアプリで開けます。
eventsファイルはイベント制御ファイル。
上手く使えばエフェクトを仕込んで煙を噴射させたり、
ロケットモーターの炎を派手にしたりと色々使えます。
音なんかもここで制御可能。
missファイルはミサイルの性能制御ファイル。
ミサイルのHP、発射時から消滅までの寿命。
飛翔スピード、カーブ性能などなど。
分離式ミサイルの場合は、ここに別種ミサイルを指定したり。
HODファイルはHODエディッター「CFHodEd」で開けます。

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scriptsフォルダ
最重要とも言えるフォルダ。様々な設定項目を管理しています。
また、アップデートの仕様変更によりいくつかのファイルは無意味化しててややこしいです。

赤線のフォルダは無意味化してるフォルダです。
それぞれの設定は別のフォルダに吸収される形になっています。
内容フォルダの簡単な説明。
attack=ユニットの攻撃時に置ける行動プログラム。
formations=ユニットを生産した時に自動的にフォーメーション待機する位置設定。
races=各種勢力のデータ。生産、サブシステム、研究などの設定項目もここに収納。重要。
rules=CPU対戦の設定データ。leveldataフォルダのデータを使用します。
scar=多少の修正を加えた謎ファイル。弄らない。
startingfleets=対戦スタート時の保有ユニット。弄ると楽しい便利。
weaponfire=武装のエフェクト総合管理ファイル。テキストで開けます。重要。

familylist.luaは分類区分けリストです。
ユニットの種類、生産上の分類、ユニットキャップの種類などなど
非常に重要。

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shipフォルダ
その名の通りゲームで使用するユニットのフォルダです。
フォルダにはそれぞれ最初に3文字の名前が付いていて管理されています。
aaa_ = A-test
the_ = LPF
dio_ = DIO
この最初の3文字の名前はracesフォルダの中にあるファイルで管理されています。

shipフォルダの中にはそれぞれ、eventsファイル、HODファイル、shipファイルがあります。
内容的には、missileと同じような構造です。
たまにMADファイル、madstateファイル、luaファイルなどもあります。
MADファイルは、ユニットの特殊動作アニメーション管理のファイルです。
通常では編集できませんが、HODエディッター「CFHodEd」の操作で生成されます。
madstateファイルは特殊動作アニメーションや、エフェクトのONOFFなどを管理しています。
luaファイルはユニットの行動に特別な動作をさせる為のプログラムのようです。

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soundフォルダ
その名の通り、音声系が収納されています。

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subsystemフォルダ
サブシステムのフォルダです。
構成は、missile、shipと似ています。
ship側の設定で必要に応じて船に組み込まれます。
A-testMODでは、LPFとDIOに小数のサブシステムが採用されています。

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uiフォルダ
UI関係のフォルダです。
A-testMODでは必要最低限の変更を加えてあります。
タイトルロゴ、メインメニューバックグラウンドの画像。
これらはTGA形式の画像ファイルで手軽に変更可能です。
newmainmenu.luaではメインメニューの項目を変更しています。
チュートリアル、エクストラミッションを外し、マルチプレイの項目を追加しています。

フォルダ全体の見直しが可能ならばゲーム中のUIすら自由に弄れる可能性のあるフォルダです。

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weaponフォルダ
武装の性能ファイルを収めたフォルダです。
基幹ファイルとも言え、ここから更にweaponfireファイルやミサイルに繋がっていきます。
.wepnファイルはテキスト編集とHW2 Weapon Script Editorで編集可能です。

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MODの形態
現在ワークショップで出回っているMODにも様々な形態があります。
HWRMとしてのMODでパラメーターだけを変更したものや、
ゲーム中に登場するも、プレイヤーの操作できない勢力追加するもの、
有名なガンダムMOD、オリジナルユニットを登場させるもの、
更にはエクストラミッションなどを実装するものなど様々です。

例に挙げた物は作り方によって製作難易度が違ってきます。
比較的簡単なのはパラメーターの変更MODでしょう。
これらは、元々存在するファイルの数値を弄るだけで簡単に作成できます。
ファイターの耐久値を増やしたいとかユニット制限の解除などなど。

次はCPU専用の勢力をプレイヤーが使えるようにするMODです。
簡単か?と言われたら非常に難易度は急上昇するでしょう。
レースの追加やAIの調整なども必要になってきます。
ただし、使用するHODファイルなどの作成が面倒な関係ファイルが
元々存在するのでそういう意味では作りやすいです。

次がガンダムMODやオリジナルユニットを追加するMOD。
これらは必要に応じて関係ファイルを自分で作成して用意する必要が出てきます。
A-testMODは、この分類のMODになります。

最後が、オリジナルキャンペーンなどを搭載したMOD。
専用の知識が無いと組み上げるのは非常に難しいと言えます。


製作者として、どの部分を目指していくかによりますが、
とにかく地道に知識を積み重ねて対応していく事が大事です。