Subscribe to download
高性能量産型 RIKA-Mk2

架空オリジナルレスラー。

KRF所属レスラー。

某、〇〇梨花選手はマイクが苦手だった。

先輩はおろか、同世代や、更には自分より下の世代のレスラーたちまでもが、試合のみならず、マイクパフォーマンスでもキレのあるところを見せ、客を沸かせていることに並々ならぬ焦りがあった。

一皮むけようと打診し願いの叶った海外武者修行では、陽気に振る舞う外国人選手たちに日本にいる時以上のジェラシーを感じた。

このままでは自分はダメになってしまう。

そんな悩みの中、彼女はとあるサーキット先で一人の日本人レスラーと出会う。その選手は、マイクを持っても言葉少な、というか殆どしゃべらない。その代わり、試合のあらゆるところで祈りを捧げるようなポーズを見せる、修行僧キャラだったのだ。
梨花はまさに天啓を得た思いだった。

「喋れないなら、喋らない姿を魅力的に見せればいいじゃない」

ロボットは夢を見るのか。

その疑問に答えられる者はいないが、RIKA-Mk2はそういう夢を見たらしいと、伝え聞くことがある。

試合中に口から漏れるのは、駆動音と排気音程度。たまにプログラムされた、人の声に似た電子音を発することがあるがそれも稀で、言葉が必要な時は、持ち合わせたノートPCで筆談ならぬキーボード談をする。

「〇〇梨花はリバプールの自動車工場でネジになった」というよくわからないコメントも、誰かから伝え聞くことがたまにあり、そのネジが、RIKA-MK２が開発されたとされるドイツまで流れ着いて、パーツを留めるのに使われたとの噂もあるが、それについて語られることは、しばらくはないであろう。

ただ、RIKA-Mk2は、今、確実に熱心なファンを得ているのである。


・RIKA-Mk2小噺 1
高性能ロボットなのだが、いかんせん現代の科学技術がまだ追いついていないところが多く、試合中ショート気味に動きが止まる。

けしてコスチュームと中の人の呼吸の問題ではない。

・MIKA-Mk2小噺 ２
芸能活動をしているタイガーニーナJKのバーターのように街ぶら番組に顔を出したことがあるが、食レポで、カメラに背中を向けて 何やら食べ物を体に取り込んでいるシーン、特に、それが特別美味しいと、湧いたヤカンのような音で感動を表すシーンなどがけっこうお茶の間にウケた。