Fire Pro Wrestling World

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我孫子 夜衣歌
   
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19 Jan, 2018 @ 4:44am
3 May, 2019 @ 7:24am
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我孫子 夜衣歌

In 1 collection by kai-chop
KRF (Kinglly & Radical Fighting)
59 items
Description
架空オリジナルレスラー

ある年の夏だった…。

KRFは夏の女王決定リーグ「ビキニクイーンdeサマー」真っ最中であった。
しかし、いつものように熱戦を繰り広げる中、おかしな噂が囁かれ始めていた。

「勝ち名乗りを上げるレスラーの背後に白い女が立っている」

これまでの全日程の勝者の写真を見直すと、なるほど、背後にうっすら白い女の影が…。

KRFの選手たちはそれぞれ腕に覚えがあると言っても、うら若き乙女である。皆が一様に悲鳴を上げるなどし、団体全体が恐怖に包まれた。

そんなこともあってか、大会後半戦は多くの選手が勝ちに萎縮する中、乙女であることを忘れている辰巳龍子、ブラックホール千石の古豪両名がそんなことを意も介さず、暑さにも負けずに老体に鞭打ち、それぞれのグループを首位で抜け、決勝を闘うこととなった。

かっての極東女子プロレス黄金カードがKRFのリングでは初のマッチングとなり会場は大盛り上がり。30分を超える死闘の末、KRF立ち上げ以後、裏方に回り存在感が発揮しきれていなかった千石が、優勝を飾った。

優勝者にプレゼントされるビキニカタログを受け取り、品定めする千石がウキウキしているリング上の祝福ムードの中、突然会場が暗転した。

場内に流れるお経。そのイントロが終わるとおどろおどろしいテーマ曲が聞こえ、会場が明転したかと思うと千石の背後に全身真っ白の女が!!手に持った鎌で千石に襲いかかる女。プロレスのリングではタブー中のタブーである刃物を突き立てる女(もちろん現実でもタブーである)。

みるみるうちに額を真っ赤に染める千石。
突然の怪異の出現に身がすくんでいたレスラーたちは人数の力で気力を取り戻し女を取り囲むが、再び会場が暗転。悲鳴が上がるリング上。

再びライトが灯ると、女は姿を消していた。

すると今度は、1人の女僧がリングに上がり「あれこそはー、極東女子プロレス時代にレスラーになることを夢見たが叶わず道場を去り、帰り道で交通事故に遭った選手、がその時の彼氏との間に迂闊にも身ごもってしまっていた子供、と、交通事故現場で同時に轢かれてしまった猫、とその現場にいた戦時中の日本兵の亡霊、とかなんか色々がごちゃ混ぜにからまって出来た呪いが、わが寺の家系の先祖で過酷な修行をし続け殉教した御神体に取り憑いて実体を得た化け物、【我孫子 夜衣歌】だよぉおおおーーー!!!」と、女芸人風に叫んだ。

「夜衣歌にはプロレスラーになることが夢だった人、の子が一部入り込んでいる。だから、このリングで夜衣歌をチャンピオンに上り詰めさせてやるキーーーー!!」

叫ぶ女僧は千石に詰め寄ると、「今のチャンピオンは佐伯薫。今夜、チャンピオンに挑戦する権利を得たのはブラックホール千石。じゃあ、今、千石をボロ雑巾のようにした夜衣歌はチャンピオンにふさわしいのではぁ!?」と続ける。

千石が「そういうのは正式にあたしを倒してからにしなぁ!」と返し、薫が「幽霊が肉体を得てるだって? バカなことをしたねえ。ってことは、蹴れる!! 怖くない!!」と続く。

真夏の祭典が終わってもKRFの夏は終わらない! この、晩夏のホラープロレスを勝って彼女たちは秋を迎えられるのか!